2024/11/16 14:23
花の数え方ってどれが正解!?
奥深い花の単位を知ろう!
花屋で働いていると、ふと疑問に思うことの一つが「花の数え方」です。
例えば、「このバラを一本ください」と言われたり、「一輪の花が欲しい」と相談されたり…同じ花でもいくつもの表現方法が存在しますよね。花はどうやって数えるのが正解なの?

花の数え方:よく使う単位とその由来
花の数え方は、花の形や数、状態などにより、単位が変化します。
よく耳にするのは、「一輪」「一本」「一束」などですが、それぞれに意味があり、使い分けると花そのものが持つ姿や美しさをより感じることができます。
一輪(いちりん):「輪」は車輪や満月など、本来丸い形のものを数える単位です。花がきれいに咲いて上から見ると丸くなっている状態を「一輪」と数えます。
大きい花のことを「大輪の〇〇」、
小粒の花を「小輪の〇〇」と呼ぶのはそのためです。
花ひとつあたりの呼び方なので、一本に複数の花が付いている「スプレー咲き」の花を数えるときは、「〇輪」の花が付いてるなどと表現します。
一本(いっぽん):切り花を数えるときに使われます。花束やアレンジメントで、花が一つ一つ「一本」として組み込まれていますね。
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一枚(いちまい)、一片(ひとひら):花びらを数える際に使います。桜やバラの花びらが舞い散る情景は「ひとひら」と呼ばれることが多く、風に乗る花びら一つの儚さを想像させます。こういった数え方は、物語や詩の中でもよく使われ、花の美しさと儚さを引き立てます。
満開の桜はもちろんとてもキレイですが、ひらひらと舞い落ちる桜吹雪も格別の風情がありますね!
一束(ひとたば):複数の花が集まり、一つの束となったものを指します。花束などで、複数本の花がまとまって作り出す華やかさを表現できます。
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花の単位の中には「一叢/一群(ひとむら)」、「一朶(いちだ)」など、長年花屋で働いていても、ほとんど聞いたことのない単位もありました。
日本人の花に対する、なにか特別な思いを感じ取ることができます。
あなたはいくつ知っていましたか?


季節を彩る花々の数え方
日本人にとって特に馴染み深い桜やひまわりなど、季節を象徴する花の数え方を見てみます。
桜(さくら)
春の訪れとともに一斉に咲き始め、日本の国花でもある桜。花の数え方もまた、桜ならではの風情に満ちています。咲いた花は「一輪」や「一個」として数えられることが多いですが、枝ごとに咲く桜の花は「一房」や「一枝(ひとえだ)」として表現されます。
さらに、桜が満開になったときには「万朶(ばんだ)」という言葉が使われ、枝いっぱいに花が咲き誇る様子が表現されます。この言葉は、桜だけでなく、他の枝にたくさんの花が咲く植物にも使われることがありますが、やはり満開の桜の美しさを伝えるのにぴったりです。また、散り際の花びらは「一片(ひとひら)」として、春の儚さを象徴する美しい表現として親しまれています。
「ひとひら、ひとひら」と舞い散る桜の様子は、多くの人に春の情景と共に懐かしい思い出を呼び起こします。桜の数え方には、日本人の自然に対する感性や、春の儚さと美しさを愛でる気持ちが込められているのです。
日本人にとって桜は特別な花なんですね!

ひまわり
夏の青空のもとで元気に咲くひまわり。ひまわりは基本的に「一輪」「一本」と数えられるほか、たくさん集まって咲くひまわり畑の光景を「一叢/一群(ひとむら)」として表現することもあります。「むら」という言葉には、植物が群がって生育する様子を示し、一面に咲き広がるひまわり畑の迫力を感じさせます。
見渡す限り、あたり一面の「ひとむら」のひまわり畑、
いつか行ってみたいものですね!
代表的な黄色やオレンジ色のひまわりだけでなく、現在では赤・茶色・白・グリーンなど多様な種類があります。
ひまわりは、太陽に向かってまっすぐに成長することで知られ、その強さや生命力が「一本」「一輪」という言葉で伝わります。しかし、「一むら」という数え方を使うことで、ひまわりが群れを成し、集団で太陽を追いかけるような姿をイメージでき、個の力だけでなく、大地を彩る壮大な情景を感じ取れます。
「一本」からでも元気をもらえるひまわりから、エネルギーをもらっちゃおう!
花の数え方が示すもの
日本語の花の数え方は、ただ数量を示すだけでなく、その花が持つ形や特徴、咲き方、さらには季節の移り変わりを感じさせてくれる大切な表現方法です。
花や自然に対する敬意が込められており、花一つ一つを大切に思う日本人独特の心が感じられます。花の美しさを数えるという行為を通じて、私たちは日々の生活に潤いや彩りを与え、自然に対する敬意や愛情を再確認しているのかもしれません。
特殊な数え方
街なかの新規開店やお祝い、お悔やみなどで見かける「スタンド花」。
実はスタンド花は、これまでと違って特殊な数え方をします。
また、スタンド花そのものについても解説していますので、お祝い事やイベントごとの際に利用してみてください。
スタンド花の数え方は「基」「台」
スタンド花の数え方は、「基(き)」や「台(だい)」を使います。基/台は、据え置くものを数える際に使われる単位です。大型のスタンド花は土台がついていて、どっしりと据え付けるので、これらを単位に用いるのは自然な流れでしょう。
なお、スタンド花は二基一組で扱うこともあります。
この場合は、一対(いっつい)と数えます。

